鍋とぶじゅうたん

おぼえがき。

孤狼の血を読んだ

・文字になっても迫力のある広島弁(呉弁)が最高だ。独特のイントネーションが頭の中で再生される。

・映画も原作からエピソードの取捨選択が上手い具合に出来ている。尚且つバイオレンスさを味付けして、映画独自の迫力を出している。あれもこれもオリジナルかよ~と確認しつつ読んでいたのだけど、個人的に一番狂気を感じた部分(日岡があるものを探し回るところ)、あれも映画オリジナルだったのかと驚いた。

・何よりも大上さんの人柄がしっかりと伝わってくるから、映画でラストを知っているのに辛くて読みながら泣いた。煙草屋のカツさんしっかり生きるんやで…。

・尾谷組の仁義を通すやり方、加古村(&五十子)の何でもやり放題なところも同上。

・映画で大上さんは一般市民の見方だと明言されていたけど、原作ではその言葉なくとも大上さんにとって大事なものがなにか伝わってくる。2時間と限られたなかで伝えなきゃいけないから映画も時には言葉にしなきゃならんのだろうな。

・映画を観た後なのに、全然俳優陣の顔が浮かんでこなかった。映画は映画、原作は原作の雰囲気が確たりと出来上がっていてぐいぐいと引き込まれる。昭和六十三年・呉原の初夏の暑さが伝わってくるよう。

・映像化してくれてありがとう。よき原作に出会えた。

 

・次読むもの/夢の検閲官・魚籃観音

孤狼の血を観た

広島弁(呉弁)が心地いい。あの独特のイントネーション、しんさい、じゃけえ、しとんならエトセトラ。多少馴染みのある土地なので、方言が気になるかと思ったがそんなことは全くなかった。男は怒鳴り、女は可憐でしたたか。

・汚いおじさんたち/最近のおじさんは割と小奇麗な人が多いが、作中に出てくる男どもは汗水垂らして血にまみれて暴力を振るう。まさに昭和。鉄砲玉みたいな人がまさに狂犬という感じで良い。

・江口さんに比べて竹ノ内さんはあんまり出てこないんだけど、序盤のあのひともそうだったのか!と気づいたときはこういう役もされるんだなとちょっと感動した。その他諸々、渋くて獣臭漂う男優陣が勢揃いしていたし、女優陣もかわいくてかっこよくてドキドキした。こういう映画は女がエロかっこよくなきゃいけない。

・劇場/割とおじさんが多くて、久々にアウェーを感じた。最近観てた映画が男女半々だったので、年齢層が一気に上がったことや周りが男性ばっかりだったので「龍が如く」をプレイしてたときを思い出した。

・血と暴力/けっこうがっつり描写してるし、開始早々スカトロもあるので苦手な人は注意したほうがよい。泥臭くカッコ悪くエロく血生臭く。

松坂桃李/軍師官兵衛・日本で一番長い日など途中から何らかの刺激を受けて肝の据わった役をしてるのをこれまでも見てきた。年々、そういう演技がうまくなってんなあと思うし、いつか若手という枠から脱した彼が今回役所さんが演じた側になるのを楽しみにしている。清濁飲み込んで自分の信念を貫き通す男をきっと演じてくれるだろう。

・原作付きの映画は、映画館に原作置いといてくれると欲しいって初めて思った。原作も買ってきたし続編も読みたい。

・次観たいもの/のみとり侍君の名前で僕を呼んで